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「知的生産能力、特に抽象思考力向上を目的とした、人工知能によるパソコン作業添削指導サービス」-ものづくり補助金事業計画書その1

2019年1月3日
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2018年から、国からものづくり補助金を受けて行っている事業があります。
「知的生産能力、特に抽象思考力向上を目的とした、人工知能によるパソコン作業添削指導サービス」の開発です。
「エクセルマクロを作っている様子を動画収録し、その動画内容から、改善点を解析し、レポートする」という機能を有した人工知能を作っています。

今回から7回にわたって、この補助事業を実施するにあたって国に提出した「事業計画の概要」の抜粋をブログにUPします。ぜひご覧ください。


事業計画概要

本事業の具体的な取組内容について、以下の順序で記述する。
【1. 申請事業の概要】  ←今回の内容
【2. 弊社の概要】
【3. 申請事業が解決したい課題】
【4. 課題の解決方法、申請事業の詳細】
【5. 本事業の社会的必要性と、技術的革新性】
【6. 対象となる市場】
【7. 将来の展望】


【1. 申請事業の概要】

(1)事業計画名

知的生産能力、特に抽象思考力向上を目的とした、人工知能によるパソコン作業添削指導サービス

(2)事業計画の概要

パソコン作業の様子には、その作業によって得られる成果物以上に、作業をしている担当者の抽象思考力と実務能力が現れる。また、パソコン作業を行う際の具体的なパソコン操作方法をマウス、キーボードショートカット操作レベルまで落とし込んで徹底的に指導することにより、指導を受けた者の抽象思考力と実務能力を向上させることができる。
そこで、パソコン作業の様子を動画で収録し、その内容を添削し、具体的な指導をする機能を有した人工知能を開発し、受講生に提供する。これにより、講座受講者のパソコン作業能力だけでなく、抽象思考力と実務能力の向上を図る。

(3)事業計画の内容

本事業は、社会人の能力評価、能力開発を目的とする。
とりわけ、オンライン講座上での抽象的思考力、実務能力の評価と、これらの能力の向上支援にかかるものである。

抽象的思考力、実務上の作業能力の両方を測る方法として、パソコン上で解決すべき一定の課題を受講生に提供し、その成果物を見るという方法がある。

例えば、受講生に対し、複雑な工程を経て完成するエクセルやパワーポイントでの資料作りや、プログラミングの課題を提供する。
すると、受講生は、最終成果物に比してより低度に抽象的な思考や実務上の作業を組み合わせ、その最終成果物を作り上げる。
課題出題者は、受講生が提出したその成果物を確認すれば、その受講生の抽象的思考力、実務上の作業能力をある程度判断できる。

ここで、このような「成果物を見てその内容を評価する」という静的態度の評価方法には、以下の限界がある。

  1. 受講生が、最終成果物に至るどの段階で、どのような抽象的思考、あるいは作業に行き詰まりを感じたのかを正確に判断出来ない。
  2. 受講生が最終成果物提出を断念した場合、評価を行うことが出来ない。
  3.   1、2から、その受講生により好適な次に取り組むべき課題を適切に判定・提案できない。

ついては、「成果物を見てその内容を評価する」という静的態度ではなく、「成果物を作る過程を観察し、その様子を評価する」という動的態度で受講生を支援するほうがより好ましい。対面講座であれば、十分に経験を積んだ講師が直接的に関わることで、そのような動的態度で受講生を支援することができる。
とはいえ、これにも、「対面講座でなければならない」、「十分に経験を積んだ講師を確保しなければならない」といった制約がある。

そこで、オンライン講座等でも能力評価や能力開発を動的態度で行えるよう、人工知能を搭載した能力評価、能力開発システムを開発する。
このシステムには、以下の機能を担わせる。

  1. 受講生が課題に取り組む様子の動画(パソコン画面上の変化)を解析する。
  2. この動画解析により、各々の受講生の、抽象的思考力や作業能力を複数項目にわたり判定する。
  3.  Bの結果に基づき、各々の受講生の能力強化により直結する、より好適な練習課題を案内する。

これにより、受講生は、対面講座でなくても、あるいは、十分に経験を積んだ講師の直接的な支援がなくても、オンライン講座を通じて、24 時間、いつでもどこでも、自分のレベルに合ったトレーニングをし、フィードバックを受けられるようになる。

また、このシステムには、人工知能を搭載する。
この人工知能には、受講生の抽象的思考力や作業能力を判定し、適切なアドバイスをするために必要な知見を学習させる。
また、このようなアドバイスを受講生に対し行う中で人工知能自体が自己学習を進め、あたかも人間の講師が経験を積むように、時間が経てば経つほどより精度の高いアドバイスをできるようにもする。

弊社は、この人工知能を搭載したシステムにより実現されるサービス全体を設計・開発する。
人工知能を有するシステムの開発は外部に委託する。
人工知能が行う能力評価の基準設定には、弊社の代表者(元日本IBM 社内講師で、15 年の講師歴にわたり、抽象的思考力、実務能力開発のための研修を実施してきた)が実務で培った知見を用いる。

なお、パソコン作業の様子を収録した動画を活用することは、人工知能によって抽象的思考力、実務能力の評価とこれら能力の向上を支援するための手段として特に好ましい。
なぜなら、「パソコン作業」には、以下の特徴があるからである。

  • 「パソコンを使う」という制約条件がある。
  • 試行錯誤や作業の具体的な様を明確に観察でき、その解析だけで能力を十分に評価しうる。
  • 人工知能との相性が良い。
  • パソコン作業能力自体、実務能力に直接関係するスキルである。
    さらに言えば、人工知能によって解析をするのであれば、受講生に提供する課題には、個人の創造性によって最終成果物の品質に大きな影響が出ないものが好適である。

具体的には、画像制作やプレゼンテーション作成等より、エクセルでの資料作成等がより好適であろう。

本事業で開発する人工知能は、人材紹介事業にも活用できる。
活用の方法としては、例えば、この人工知能による評価や人工知能の活用履歴は、受講生を企業に人材として紹介するに当たり、以下のことの証左として利用できる。

  • その人材が確固たるスキルを持っているということ
  • その人材が積極的にスキルアップに取り組み、順調に能力を向上させているということ

従来、弊社は、研修事業を行ってきた。
そこに、さらに、本事業で開発する人工知能を活用した人材紹介事業をさらに加える。
これにより、弊社は、受講生、企業、社会全体に対し、以下のようなメリットを提供する。

  • 受講生に対し、スキルアップ後のより望ましい転職の機会を提供する。
  • 企業に対し、より優秀な人材の獲得機会を提供する。
  • 社会全体に対し、生産性の高い人材を増やすことで、経済全体を活性化させる。

事業計画書【2.弊社の概要】に続く。

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