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よいスピーチを作るには、まず植木鉢を置き、そこにタネを植える

2010年8月25日
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塾長の個人ホームページ「こねこねのさいと」に「英検1級ベストアプローチ」というコンテンツがある。

http://www.konesite.com/eiken/

そこに以下のような質問を受けた。

> ○○件の高校で英語教員をしている、○○といいます。

> 英検1級ベストアプローチを読ませていただきました。

> 論理的に書かれており、納得もでき大変感銘を受けました。

> 英検対策の勉強会で紹介したいと思っています。

> そこで、質問があるのですが、

>

> ”英検1級ベストアプローチ」では、

> 「スピーチを何本も書いて覚える」なんていう苦行は要求しません。”

>

> と書いてらっしゃいますが、実際にはどのようにして、

> 覚えてらっしゃるのでしょうか。

> 大変お忙しいかと思いますが、よろしくお願いいたします。

—————————————————–

> ”英検1級ベストアプローチ」では、

> 「スピーチを何本も書いて覚える」なんていう苦行は要求しません。”

というのは、以下のページ末尾に書いたことを指している。

http://www.konesite.com/eiken/making.html

英検1級二次試験で課されるスピーチは即興スピーチで、しかも、5個出されるトピックのうち自由に選んだ1個について話せればよいという緩い試験だ。

しかも、過去に出題されたトピックとまったく同じものは、出題ミスでもない限りまず出ることはない。

にも関わらず、熱心な英語学習者が「私は完璧なスピーチを目指すあまり原稿用紙に過去○年分のトピックのスピーチ原稿を書いていって練習しています」といったことを高らかと宣言しているのを聞ことは多い。

そして、塾長はそのたびに、「なんという無駄なことをしているのだ。そんなヒマがあったら合格に直結する勉強をしろ」と、真剣に卒倒しそうになる。

たとえ英検1級に権威を感じ、自分の想定する英検1級合格者の英語力が輝かしいものだったとしても、決して合格前にそのレベルを目指してはいけない。まず目指すべきことは合格することで、そのために必要なのは、合格するのに必要なものだけでいいのだ。

英検1級で言えば、合格に必要なのは、即興スピーチで、そのための準備として必要なのは、即興スピーチの準備だけである。

これは、英検1級に限らず、資格試験全般にも通じることだし、もっと言えば、資格試験を受けるべきなのかの判断にも当てはまることである。

分かりやすい例で言えば、Excelマクロの世界には、マイクロソフトが認定する「VBAエキスパート」という資格があるのだが、採用する側から見ると、そんなものがあってもなくても、その人の価値にはまったく代わりはないのである。

この場合、「採用されるかされないか」は「英検1級に受かるか受からないか」で、その評価基準の「実務でマクロを使いこなせるか」は「トピック5個のうちから1個を選んで即興スピーチができるか」、「VBAエキスパートという資格を持つか持たないか」は、「スピーチ原稿をたくさん書いたことがあるか」にあたる。

塾長は前向きに学び努力する人間のことが好きだが、それだけに、せっかく努力している人間が本来の目的とはまるで異なるチンプンカンプンなことをしているのを見ていると、もったいなくて仕方がないのだ。

ということで、質問も受けたしということで、ひさしぶりに「こねこねのさいと」のほうで新ページを追加してみた。

「英検1級ベストアプローチ」 http://www.konesite.com/eiken/
の、 「スピーチのタネを作る」

http://www.konesite.com/eiken/brushup.html
のページである。

一度に書くには骨が折れる話題なので、今回は、スピーチの骨格にあう内容のスピーチを作っていくためのフレームワークだけを提唱してみた。

骨格を作り、そこに何を入れるかを考え、入れるべきコンテンツを肉付けしていけばスピーチは自ずと出来上がるものなのだが、その流れというのは、ある種、植木鉢を用意し、タネを植え、水や肥料をやって大きな花を咲かすまでの過程に似ている。

今回改めてコンテンツとして自分のスピーチの作り方についてまとめてみて、そういうことを思った。

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