本事業の具体的な取組内容について、以下の順序で記述する。
【1. 申請事業の概要】
【2. 弊社の概要】 ←今回の内容
【3. 申請事業が解決したい課題】
【4. 課題の解決方法、申請事業の詳細】
【5. 本事業の社会的必要性と、技術的革新性】
【6. 対象となる市場】
【7. 将来の展望】
【2. 弊社の概要】
弊社は、代表者の小川慶一がすべての講義を実施している小規模な研修会社である。
後述するが、代表者は、日本IBMでの社内講師時代から、通算して15年の研修講師としてのキャリアを有している。
また、弊社は、自社でシステム構築したオンライン講座を有する。このオンライン講座に収録されている動画の本数は、1,500本を超える(1本あたり再生時間平均15分程度)。その全編が、自身のオリジナル講座である。
顧客の主要なターゲットは、スキルアップに意欲的な30代~40代の一般事務職である。また、過去の講座受講者総数は、25,000名を超える。
弊社の研修は、以下の方法で提供している。
研修項目は、大別すると、以下の通りである。
上記のうち、「パソコン研修」についてこれから述べる。
パソコン研修における弊社講座の特色は、以下の二点である。
A、Bについて、さらに補足する。
A. 講座の内容が実務に直結したものであること。
パソコン講座等のIT系講座では、「民間資格の試験対策講座」のようなものがよく見られる。そのような講座では、「高い金額を払って講座を受講しても、仕事で結果を出せるだけのスキルが身につかない」といったケースが多い。
例えば、某大手パソコンスクールでは、自ら制定した民間資格を用意し、その民間資格試験の受験対策教材を使った講座を受講生に高額で提供する。
教材の内容は実務に即したものとは言い難く、通り一遍の知識を提供するだけのものである。
実務に即した応用問題を解くことも少ない。
その上で、資格試験を受験させ(その受験に際し、さらに費用を取る場合もある)、「資格」を発行する。
しかし、このような研修では、実務上の問題を解決するための力は当然身につかない。
また、このようなパソコンスクールでは、講師にも、実務経験が乏しいことが多い。
そのため、前記大手パソコンスクールのような学校では、受講生が講師に対し実務に関する質問をしたとしても、講師からは実務上の有益な回答が得られないばかりか、「それは、(そのパソコンスクールが独自に制定した民間資格の)試験問題には出ませんから気にしなくて良いです」といった回答しか得られないといったことが普通に起こる。
このような教育を受けても、実務上の力が身につかないことは明白である。
B 取り扱うスキルが、比較的高度な抽象思考力と作業能力を要する高度なものであること。
弊社が得意としているのは、「マウスを使わないでパソコンを操作できるようになるためのショートカットキーの習得講座」、「エクセルマクロ(注:エクセルでの作業を自動化するプログラムのこと)の習得講座」といった、比較的高度なスキルを受講生に短期間で習得させる講座である。
このようなスキルは、知識として持っているだけでは意味がない。実務の現場で、多様な課題に対し、半ば無意識に活用できるようになってこそ初めて有益といえる。
にもかかわらず、前述の通り、一般的なパソコンスクールでは、通り一遍の知識が提供されるだけで、実務の現場で多様な課題に適用する応用力をつけるための演習などは十分に提供されないことが多い。
しかし、例えば数学でも、一見単純と思われる計算問題も、十分に練習しないと、確実に正解に至れる力は身につかない。より具体的にいえば、計算問題程度の課題であれば、ほとんど頭を使わないでも体が勝手に動いて正解するくらいになる必要がある。
あるいは、数学上の公式を知っただけでは、一流大学の入試問題を解くことはできない。一流大学の入試問題を解けるようになるには、上述したような頭を使わないでも着実に正解に到達できるだけの作業実施能力と、各々の課題に柔軟に対応できるだけの抽象的思考力が同時に求められる。
そしてまた、数学でも、「作業実施能力」が高い者ほど、「抽象的思考力」を高めるのも容易である。
つまり、平たく言えば、文章題を理解して自力で解けるようにさせたいのであれば、計算もおぼつかない状態でいきなり文章題をやらせるよりも、計算練習を徹底して行わせ、まずは、計算力を確固たるものにさせるべきである。それから文章題に取り組ませたほうが、圧倒的に飲み込みが早く、実力が身につくのも早い。
同様に、パソコンスキルでも、本来、実務上の多様な課題に対応するには、以下の二つの用件を満たす必要がある。
上に紹介した弊社講座であれば、「マウスを使わないでパソコンを操作できるようになるためのショートカットキーの習得講座」は、主に、「作業実施能力」についての講座である。
一方、「エクセルマクロ講座」は、「作業実施能力」、「抽象的思考力」の両方を同時に身に着けさせる講座である。
図1. 「作業実施能力」と「抽象的思考力」、「高度な課題を解決する力」の関係
そしてまた、数学を学ぶときと同様、実務上の課題を解決できるだけの「抽象的思考力」を身に着けさせるには、「作業実施能力」を先にしっかり身に着けさせたほうが良い。
つまり、平たく言えば、「エクセルマクロで実務に役立つプログラムを書けるようにさせたい」のであれば、「タイピング」や「キーボードショートカット」といったパソコン操作の基礎もおぼつかない状態でいきなりマクロを書かせるより、パソコン操作練習を徹底して行わせ、まずは、パソコン操作スキルを確固たるものにさせるべきである。それからマクロ書くことに取り込ませた方が、圧倒的に飲み込みが早く、実力が身につくまでにかかる時間も工数も結果的に少なく済む。
弊社では、このような方針に基づいて、基本操作練習と実務に即した演習とを、徹底して行っている。
通り一遍の知識を提供することに比べ、基本操作練習、実務に即した演習問題を準備することは、非常な手間ではある。
だが、この手間をかけていることが、受講生からの支持に繋がっている。
事実、弊社有料講座受講生の8割以上はリピーターである。
ここまで「パソコン研修」について述べた。
ここで、さらに、「心理学研修」、「ボディワーク研修」についても述べる。
弊社がこれらの分野についてまで講座を実施している理由を、以下、簡単に列挙する。
C . 受講生の心に心理的問題があると、高度なスキルをつけるのが難しい。
また、スキルを身につけても、それを実務で発揮しがたい。
D. 受講生の身体の使い方が適切でないと、高度なスキルをつけるのが難しい。
また、スキルを身につけても、それを実務で発揮しがたい。
上記 C、Dについて、以下に簡単に補足する。
C. 受講生の心に心理的問題があると、高度なスキルをつけるのが難しい。
また、スキルを身につけても、それを実務で発揮しがたい。
自己重要感の低い受講生は、研修内で課題を提供しても、「どうせ私には無理です」と、課題を解くための努力を十分に行う前にそれを放棄してしまうケースがよく見受けられる。
また、実務上の課題を解決できるだけの十分なスキルを身につけたとしても、「私の実力は完璧でないからとてもできません」、「絶対誰にも文句言われないだけのものを作れる自信はありません」等と言って、学んだスキルを実務の現場で発揮しようとしないというケースがよく見受けられる。
D. 受講生の身体の使い方が適切でないと、高度なスキルをつけるのが難しい。
また、スキルを身につけても、それを実務で発揮しがたい。
「身体の使い方が適切でない」とは、例えば、歩くときの姿勢が悪いとか、パソコンに向かうときの姿勢が悪いとか、首や肩、肘にいつも緊張があり、動きが悪くまた常に痛みを感じているとか、そういう状況のことをいう。
このような課題を抱えている受講生は、パソコンスキルに関する講座を受講する前の段階で、すでに身体的に疲労している。この疲労のために、講座受講前の段階で、すでに集中力が切れていることがある。そして、同じ理由で、講座受講中も、集中力が切れやすい。
演習をする時にも身体的なストレスが大きいので、長く集中を持続できない。さらに言うと、身体に無駄な緊張を多く抱えているので、パソコン操作をスムーズにできない。
研修受講後に復習しようと思っても、身体が疲れきっているので復習する時間を取れない。
会社で業務改善をしようとしても、身体が疲れていてやる気がしないし、業務改善を行おうとしても、身体的な問題がないという比べて多大なストレスがすでにかかっているので、疲労に負けてしまい、結局やりきることができない。
上記 C 、Dのような課題を解決することで、パソコン研修の成果をより高めることができる。
弊社は創業当初は「パソコン研修」のみ行っていた。
しかし、上記のような必要性から、パソコン研修の成果をより大きくするために、これに加え、「心理学研修」、「ボディワーク研修」を行うようになった。また、当然の流れとして、「パソコン研修」、「心理学研修」、「ボディワーク研修」を組み合わせた研修も行うようになった。
ここで、参考までに、弊社がこのような課題解決をするために必要な準備としてどのようなリソースを有しているのか?ということについて記しておく。
弊社がこのような方針で講座を実施できるのは、代表者自身、「学習・教育」といった分野での実績に加え、「パソコン」、「心理学」、「ボディワーク」といった分野で、実務経験を含めた専門知識を有しているからである。
以下、その説明のため、代表者の経歴を簡単に示す。
○学習・教育分野に関連する経歴
○パソコンスキルに関連する経歴
○心理学に関連する経歴
○ボディワークに関連する経歴
上記のようにパソコンスキル、心理学、身体に関するスキルのすべてについての十分なノウハウと実務経験、教育経験があることが、弊社が「パソコン研修」、「心理学研修」、「ボディワーク研修」といった講座を成立させている背景である。もちろん、ここまでに述べた教育方針は、対面、オンラインといった講座形態にかかわらず同じである。
しかし、想像に難くないことだが、オンラインでは、対面講座に比して、「演習重視のパソコン講座」、「心理学講座」、「ボディワーク講座」をといったものを効果的に実施するのは難しい。
なぜなら、上に挙げたいずれの項目も、提供するものが、「知識を得れば終わり」というものではなく、「体験を通じて初めて学べるもの」である一方、オンライン講座では、「自分は演習を十分に行ったか」ということを受講生自身が判定することが難しいため、どうしても、演習がなおざりになってしまう傾向があるからである。
そこで、そのような問題はなるべく解消し、体験重視型の講座をオンラインで実現できるよう、弊社は、オンライン講座の仕組みをすべて自社開発している。
このシステム開発には、これまでに累計2,500万円以上の費用をかけてきている。