今日の一枚:
先日、母校國學院久我山高校に行ってきた。
これは、そのときの取った、野球部・サッカー部が使っているグランドの写真。
塾長が通っていた当時は砂埃が舞う土のグラウンドだった。時代も変わったものだ。
ExcelやExcel マクロについて調べものをする機会があると、塾長はインターネットで検索をする。
その際、最近よくひっかかるのは、「教えてgoo!」「MSN相談箱」などの質問サイトだ。
ところで、この手の質問サイトを見ていると、「あ、これはいい質問だな。塾長もぜひ回答してあげたい」と思わせられるような質問がある。
そして、そういう質問には、やはり質の良い回答が連なっている。
逆に、「コイツに答えてやってもムダだろうし、対して答えてやりたくもないな」と思えるような質問もある。
そういう質問では、回答を読んでいても「○○という趣旨の質問でしょうか?」といった質問から回答がはじまっていて、やりとりに何日もかかっているのに結局らちがあかないでいるものも見受けられる。
要は、「よい答え」をもらえている質問もあるのだが、「よい答え」をもらえていない質問もあるということだ。
塾長は、「よい答え」をもらうための、ある種のコツという考え方のようなものがあると考えている。
そこで、今日は、「よい答え」をもらうための、「良い質問」のし方について書いてみたい。
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実は、達人養成塾のセミナーでは、「自分が知らないことをすばやく調べる方法」について学ぶ時間を設けている。
Excel VBAのような初心者向けのプログラミング言語でも、その全容をカンペキに把握している人などいない。
ならばストレスなくサラサラとプログラムを書ける達人は何を知っているのかというと、実は、そういう人たちは、「Excel VBAの基本」と「調べものの方法」だけはしっかりと押さえていて、あとの知識はかなりいい加減だ。
でも、プログラムを書く際にはまったく支障はない。「基本」と「調べものの方法」だけ分かっていれば、プログラムを書く際に必要が生じる都度、調べものをすればいいだけのことだからである
ということで、VBAの達人になるには、「基本」と「調べものの方法」だけが分かっていればいいのだが、その「調べものの方法」は、マクロの自動記録でできあがったコードを読むことだったり、ヘルプファイルを読むことだったり、インターネット上のブログを読むことだったりもする。
そして、その「調べものの方法」の中に「人に聞く」というのもある。
質問サイトで聞くにしても、メーリングリストに投稿するにしても、隣の席の人に聞くにしても、何でもそうなのだが、人に質問をするときに絶対に念頭に置いておかなければならないことがある。
それは、「あなたの質問に回答することは、その回答者の時間を奪う」ということ。
そして、「あなたの質問に回答するためには、その回答者は、自分の時間をそのことに注ぎ込まなくてはならない」ということである。
分かりやすく、今、回答者の方は山田さんという方だったとしよう。
そうすると、こうなる。
「あなたの質問に回答することは、山田さんの時間を奪う。」
「あなたの質問に回答するためには、山田さんは、自分の時間をそのことに注ぎ込まなくてはならない。」
これは、逆の立場にいる山田さんにとってみれば、「あなたの質問に回答することは、時間の使い方の一選択肢にしかすぎない」ということでもある。
山田さんには、山田さんの人生がある。
山田さんは、あなたから質問を受けたとき、お腹が空いていて、そろそろ夕食を取ろうとしていたかもしれない。
テレビでお笑い番組を観ていたかもしれない。
恋人とのデートの前で、あれこれ準備をしていたときかもしれない。
そして、山田さんはあなたよりマクロについて詳しいのだから、きっと、あなたより生産性の高い人だろう。
山田さんは、ひょっとするとそのとき、かなり時間単価の高い仕事をしているときだったかもしれない。
あなたは、その山田さんに、貴重な時間を他のことに使わせず、「あなたの質問に回答する」ということを積極的に選ばせなければならないのだ。
そう思うと、これはかなり大変なことなのだということが分かっていただけるのではないだろうか。
自分より生産性の高い山田さんを振り向かせて、あなたの質問に答えさせるにはどうすれば良いのかというと。
それには、あなたの質問に返答することを「魅力的なことだ」と山田さんに思わせなくてはならない。
そのために必要なことは、「あなたには、助ける価値がある」と感じてもらうこと、そして、山田さんに、「自分がちょっと手間をかければ、あなたを簡単に助けることができるだろう」と思ってもらうことだ。
そのような印象を与えるには、以下の3つの条件を満たすことが必要だ。
・あなたが誠実で魅力ある人だということを伝えること
・あなたがその問題の解決のために十分な努力をしてきていということを伝えること
・あなたが、あと少しのところでひっかかっているだけだということが正確に伝わること
(1,2番目は、「あなたには、助ける価値がある」と感じてもらうこと、3番目は、「自分がちょっと手間をかければ、あなたを簡単に助けることができるだろう」と思ってもらうことに直接関係する)
そして、この3つの条件を同時に満たすには、どうすれば良いかというと、それには、以下のステップをしっかり踏むことだ
・質問の前にきちんと調べものをする
・自分がどこが分かっていないのかをきちんと理解する
・自分がどこまで調べ、どこからが分かっていないのかを質問の中できちんと示す
今日のブログの冒頭、「あ、これはいい質問だな。塾長もぜひ回答してあげたい」と思わせられるような質問があるということを書いたが、それはどういう質問かというと、結局、この3つの条件が満たされた質問なのである。
以上、「相手の立場になって答えやすい質問をしろ」といったような漠然とした注意はよく見かけるのだが、たまには、相手の立場になるということを別の視点で書いたブログがあっても良いかと思って書いてみた。
こういうことは、普段からVBA・マクロを書いている人にとってはある意味当然のことなのだが、初心者の方の参考になれば幸いである。